トラッキングエラーとは、投資信託のベンチマークとリターンとの乖離の大きさを示す指標のことです。つまり、ベンチマークとするインデックスと投資信託の値動きにどれだけ差があったかを示しています。

トラッキングエラーは、投資信託の運用報告書や月次レポート等に記載されていますが、収益そのものを表す指標でもないので、投資信託を選ぶ際に、必ず確認しておかなければならないものという訳ではありません。ただ、インデックスファンドを購入する場合は、確認しておくことが望ましいです。

インデックスファンドの選択において、最も大事なのは手数料ですが、トラッキングエラーも結構大事な要素だったりします。

トラッキングエラーの意味するところ

トラッキングエラーは、ベンチマークとの乖離幅を示す指標で、ファンドのリターンの大きさを示すものではありません。

ベンチマークより優れた運用成績を残しても、トラッキングエラーが生じていると言えますし、ベンチマークを下回る運用成績しか残せなくても、トラッキングエラーは生じていると言えます。トラッキングエラーには、ベンチマークを上振れするものと下振れするものがあるのです。

確かに、トラッキングエラーが大きいほど、ベンチマークよりも大きなリターンを期待できますが、その分、ベンチマークを大きく下回るリスクも高まります。ハイリスクハイリターンですね。一方、トラッキングエラーが小さければ小さいほど、ローリスクローリターンと言え、ベンチマークに近い安定的な運用が期待できるということになります。

エラーという言葉から、トラッキングエラーがあると良くないようにも思ってしまいますが、ここで言うエラーは、ミスではなく誤差のことで、必ずしも悪者ということではないのです。ただ、インデックスファンドの場合は、トラッキングエラーが小さいものこそ優れたファンドと言うことができます。

インデックスファンドのトラッキングエラーには要注意

アクティブファンドのトラッキングエラーについては、大きければ大きいほど、リスクを大きく取っていて、期待できるリターンも大きいため、人それぞれメリットにもデメリットにもなりますが、インデックスファンドのトラッキングエラーは、小さければ小さいほど良いです。

というのも、そもそも、インデックスファンドは、ベンチマークとするインデックスに連動することを目指して運用されています。ということは、トラッキングエラーが大きなインデックスファンドは、ベンチマークに連動していないということになります。

インデックスファンドは、ベンチマークに連動するよう運用されていますが、ベンチマークとピッタリ同じ値動きをするということではありません。インデックスファンドは、ベンチマークと同じようなポートフォリオを組んで運用されているのであって、当然のことながら、ベンチマークそのものではないからです。

インデックスファンドは、ベンチマークと連動してなんぼですので、ベンチマークとかけ離れた値動きをしていては、あてにならない訳です。

もちろん、トラッキングエラーが大きければ、その分、ベンチマークよりも優れた収益を上げる可能性もありますが、ベンチマークを上回ったとしても、それは結果論に過ぎません。トラッキングエラーが大きいということは、その分、ベンチマークを下回るリスクも高いということを意味していますからね。

ということで、インデックスファンドの場合は、トラッキングエラーが小さいものを選ぶ方が良いでしょう。トラッキングエラーがあまりに大きいインデックスファンドに投資をしていると、市場の平均的な収益を上げるという本来の目的を達成できなくなってしまいます。