投資と切っても切り離せない関係にあるのが、税金です。投資で得た利益には、税金がかかります。もちろん、投資信託で利益を得たら、税金を払わなければなりません。ここで、必要になる処理が、確定申告。自営業の方にとっては、毎年恒例の仕事かもしれませんが、サラリーマンや主婦の方にとっては、あまり馴染みがありませんよね。

サラリーマンの方は、会社が年末調整をしてくれますし、専業主婦の方は、そもそも税金を支払う必要がありません。投資信託で得た利益については、年末調整時に併せて処理することはできませんので、投資信託で利益が出たら、主婦の方はもちろん、サラリーマンの方でも、確定申告に行く必要が出てきます。年末調整で処理できたとしても、会社に対して、投資で得た利益を申告する方はごく少数だと思いますが…

ただ、投資信託で利益を得たからといって、みんながみんな確定申告に行く必要がある訳ではありません。また、利益ではなく、損失が出てしまった場合には、税金はかかりませんが、確定申告に行った方が得をすることもあります。

分配金のみなら確定申告は原則不要

投資信託の利益には、次の3種類が考えられます。譲渡益、償還益、分配金の3つです。

この内、分配金については、受け取る前に税金が源泉徴収されていますので、確定申告は、原則不要です。ですので、確定申告に行く必要のある利益としては、投資信託を解約(売却)する際の利益である譲渡益、もしくは、投資信託が償還日を迎えた際の利益である償還益のどちらかです。

譲渡益か償還益を受け取った場合は、確定申告に行く必要があるかもしれません。

特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告は原則不要

譲渡益と償還益が出た場合でも、必ず確定申告の必要があるということではありません。証券口座が、特定口座(源泉徴収あり)の場合は、利益を受け取る前に、税金が源泉徴収されていますので、いくら譲渡益と償還益が出ていても、確定申告は、原則不要です。

証券会社に口座を開設する際、特定口座か一般口座を選択する必要があります。また、特定口座の中でも、源泉徴収ありか源泉徴収なしのどちらかを選択しなければなりません。

ここで、一般口座、もしくは、特定口座(源泉徴収なし)を選んだ場合には、確定申告の必要がありますが、特定口座(源泉徴収あり)を選んでおけば、原則、確定申告に行く必要はなくなります。確定申告が面倒という方は、あらかじめ、特定口座(源泉徴収あり)を選んでおくと良いでしょう。

確定申告に行く必要があるケース

ということで、譲渡益か償還益を得た場合で、証券口座が、特定口座(源泉徴収なし)、もしくは、一般口座の場合は、確定申告の必要があるかもしれません。

あるかもしれないということは、ないかもしれないということ。ここまで来ても、まだ、確定申告に行く必要がないケースがあるのです。それは、投資信託で得た利益が少ない場合。

譲渡益か償還益を得ていて、特定口座(源泉徴収あり)以外の口座を選んでいる場合、確定申告の必要があるのは、一般的に、以下のケースに該当する場合です。以下で言う、投資信託で得た利益は、分配金以外の利益となる譲渡益、もしくは、償還益のことです。

  • 投資信託で利益が出た自営業者
  • 投資信託の利益が20万円を超えたサラリーマン
  • 投資信託の利益が38万円を超えた専業主婦
  • 投資信託の利益と給与所得の合計が38万円を超えた主婦

自営業者の場合は、投資信託で利益が出ようが出まいが、基本的には、確定申告に行っているはずですので、問題ないと思いますが、サラリーマンの方や主婦の方も、投資信託の利益が一定以上であれば、確定申告に行かなければなりません。

サラリーマンの方は、給与所得以外に、20万円以上の所得がある場合は確定申告に行かなければなりませんので、投資信託で20万円以上の利益が出れば、確定申告決定です。投資信託の利益が38万円を超えた専業主婦の方も同様です。

主婦の方でも、パート収入がある方は、話が少しばかり複雑になります。パート収入があって、配偶者の扶養に入っている主婦の方は、給与所得と投資信託で得た利益の合計が38万円を超えた場合に、確定申告の必要が出てきます。扶養に入っているということは、パート収入が103万円以下のはずですので、給与所得は、給与による収入から給与所得控除額である65万円を引いた金額になります。これに、投資信託の利益を足した金額が、38万円を超えていれば、確定申告に行かなければなりません。

ちなみに、パート収入がある方で、配偶者の扶養に入っていないのであれば、サラリーマンと同じ扱いになります。投資信託の利益が20万円を超えたら、確定申告ですね。

確定申告に行った方が良いケース

ここまでは、確定申告に行かなければならないケースの話でしたが、確定申告に行かなくてもいいけど、行った方がいいというケースもあります。

それが、投資信託で損失が出てしまった場合。

損失が出たのですから、当然、税金はかかりませんが、損失が出た場合に確定申告をすると、税金が安くなる可能性があります。しかも、損失を出した年だけではなく、その翌年以降3年間もです。

投資で損失を出してしまった場合には、損益通算と繰越控除という制度が適用されます。

損益通算というのは、例えば、2つ以上の証券口座を持っていた場合、ひとつの口座で利益が出ていても、別の口座で損失が出ていれば、その利益と損失を通算して、課税対象額を算出する制度です。つまり、その投資家の投資で得た損益の合計がプラスになっていれば、税金がかかるし、マイナスになっていれば、税金がかからないということになります。

また、その年の投資活動全体で、マイナスが出た場合には、その翌年以降3年間についても、そのマイナスの控除を繰り越すことができます。例えば、ある年に、全体で10万円の損失を出してしまった場合、その年は、当然、税金がかかりませんし、翌年以降3年間については、マイナスとなった10万円以上の利益が出るまでは、税金がかからないということです。

確定申告に行かなければいけないケースはもちろんですが、損失を出してしまった場合も、節税につながりますので、必ず確定申告に行くようにしましょう。