投資信託で利益が出た場合には、税金を支払う必要がありますので、確定申告を行う必要がありますが、実は、損失を出してしまった場合でも、確定申告をした方が良いケースがあります。というか、した方が良いです。

というのも、投資信託で損失が出た場合には、損益通算という制度と繰越控除という制度の適用を受けることができるからです。何やら難しい言葉ですが、これらの制度の適用を受けることによって、税金が安くなる可能性があります。

損益通算とは

損益通算というのは、利益が出ている口座と損失が出ている口座の両方を持っている場合、確定申告により、複数の口座の利益と損失を相殺した上で、課税対象となる利益を計算することができる制度です。

損益通算をして利益が出ていれば、税金がかかりますが、損失が出ていれば、税金はかかりません。

証券会社に口座を開設する際に、特定口座(源泉徴収あり)を選んでいる場合、本来は、確定申告の必要はありませんが、損益通算をするのであれば、確定申告をしなければなりません。そうでなければ、支払う必要のない税金まで源泉徴収されたままです。損失を出した口座があるのであれば、特定口座(源泉徴収あり)を選んでいても、確定申告をするようにしましょう。そうすれば、本来は支払う必要のなかった税金を還付してもらうことができます。

繰越控除とは

繰越控除は、損益通算をしても、なお、損失の方が大きい場合、翌年以後3年間、投資信託による利益から繰り越して控除をすることができる制度です。

例えば、昨年1年間で、損益通算をした後の投資信託の損失が10万円となった場合、今年1年間の損益通算をした後の投資信託の利益が10万円であれば、今年の課税対象額は0円となり、税金はかからないということになります。今年の利益が5万円であれば、残りの5万円は来年以降に繰り越されます。繰り越すことができるのは、損失が出た年の翌年以降3年間です。

繰越控除の適用を受ける際にも、損益通算と同様に、必ず確定申告をする必要があります。特定口座(源泉徴収あり)を選択した場合でも、確定申告をしなければ適用されません。損失を出した年以降も確定申告をする必要がありますので、忘れずに行うようにしましょう。

平成28年分から公社債投資信託も対象に

実は、これまで損益通算と繰越控除を利用することができた投資信託は、株式に対して投資を行っている株式投資信託のみでした。株式を組み込まずに債券のみに対して投資を行っている公社債投資信託については、損益通算と繰越控除の適用対象外となっていたのですが、平成25年度税制改正によって、平成28年分から、公社債投資信託も適用対象となりました。

※一方で、これまで可能だった上場株式と非上場株式間の損益通算はできなくなりました。

これまでは、株式投資信託と公社債投資信託の取扱が異なっていましたので、分かりにくい部分もあったのですが、今後は、両者の取扱については、ほぼ同じになりましたので、非常に分かりやすくなりました。また、損益通算と繰越控除を適用できる範囲が広くなりましたので、損失を出してしまった場合の救済措置が、より拡充されたと言えます。