ETFとよく似た金融商品に、ETNというものがあります。ETNは、Exchange Traded Noteの略で、上場投資証券と呼ばれます。

ETNもETFと同様に、ベンチマークとしているインデックスに連動するように運用されますが、いくつか異なる点が見られます。

ETNの特徴

裏付となる現物資産がない

ETFが投資信託の一種であるのに対し、ETNは債券です。ETNは、発行する金融機関が、自らの信用力によって、ベンチマークとなるインデックスに連動することを保証している債券であり、ETFにおける株式のような裏付となる現物資産を持ちません。この点が、ETNの最大の特徴であり、同時に、ETN特有のメリットやデメリットの根拠にもなっています。

償還期限がある

ETFには、基本的に償還期限がありませんが、ETNの場合は、必ず償還期限があります。いわゆる満期ですね。ETNは、債券であることから、発行される段階で、償還期限が定められています。

分配金がない

ETFには、分配金が出るものがありますが、ETNには、分配金がありません。そもそも、ETFや投資信託の分配金は、株式等の運用益が分配金の原資となっていますが、ETNは、現物資産を持たないため、ETFのように、分配原資となるものがありません。

トラッキングエラーがない

これこそETNの最大のメリットとも言えるものなのですが、ETNには、トラッキングエラーがありません。つまり、ベンチマークとなるインデックスとETFで言うところの基準価額に該当する償還価額との間には、乖離が発生しないということになります。

ETNの場合も、ETFと同じように、市場価格は市場の需給関係によって決まりますので、償還価額と市場価格の間には、乖離が生まれることがありますが、ベンチマークと償還価額の間には、乖離は発生しません。

インデックスファンドやETFの運用において、コストとともに注意すべきなのが、このトラッキングエラーです。インデックスファンドやETFに投資をするということは、ベンチマークとなるインデックスに投資をしたいという思惑があるからだと思いますが、ファンドの価格が、ベンチマークとかけ離れていては、インデックスに投資をしているとは言えません。

この点、ETNに関しては、トラッキングエラーが発生しない仕組みになっていますので、償還価額は、完全にベンチマークと一致することになります。そのため、ETNの場合は、トラッキングエラーの心配をする必要は一切ありません。

発行体の信用リスクがある

トラッキングエラーがないことが、ETN最大のメリットならば、信用リスクこそETN最大のデメリットです。信用リスク自体はETFにも投資信託にもあります。しかし、ETNの信用リスクとETFや投資信託の信用リスクは、少し性質が異なります。

ETFや投資信託で言う信用リスクは、投資対象となる株式を発行している企業の信用リスクになります。仮に、ファンドが投資をしている企業が倒産してしまえば、その企業の株式の価値はなくなりますので、その分、ファンドの価値も下がります。これが、ETFや投資信託における信用リスクです。

対するETNの信用リスクは、ETNを発行する金融機関の信用リスクになります。ETNの発行体である金融機関の経営状況によっては、最悪の場合、そのETNには、何の価値もなくなってしまうのです。

確かに、ETFや投資信託の場合でも、運用会社が破綻することは考えられます。しかし、ETFや投資信託の場合は、現物資産を持っており、その資産は、信託銀行に保管される仕組みとなっています。そのため、運用会社が破綻しても、投資家の資産がなくなることはありません。また、信託銀行においては、信託銀行の資産とファンドの資産を分別管理しているため、信託銀行が破綻した場合でも、投資家の資産は守られるのです。

しかし、ETNの場合は違います。ETNは、現物資産を持たず、それを発行する金融機関の信用により成り立っている債券ですので、発行体の経営が悪化すれば、価値が下落することもあり得ますし、発行体が破綻してしまえば、最悪の場合、価値が全くなくなってしまうこともあり得ます。要は、ETNの価値が守られるかどうかは、発行体次第ということです。

ETNのメリットとデメリット

このように、ETNには、ETN特有の特徴がありますが、ETNのメリットとして考えられるのは、やはり、トラッキングエラーがないことでしょう。インデックスファンドやETFにおける悩みの種を解消してくれますからね。

しかし、発行体の信用リスクを負うというデメリットについては、しっかりと頭に入れておかなければなりません。ETFや投資信託の場合は、投資家の資産を守ってくれる仕組みができているのですが、ETNの場合は、そうではないということです。発行体の経営状況次第で、資産が失われる可能性がありますので、ETNに投資をする際には、発行体を吟味することが非常に大切になってきます。