ETFには、2種類の価格があります。基準価額市場価格取引価格)です。

投資信託には、基準価額しかありませんが、ETFには、基準価額に加え、市場価格という価格が存在しています。それでは、この2つの価格には、どのような違いがあるのでしょうか。

基準価額と市場価格の違い

投資信託とETFの違いのひとつとして、リアルタイムで取引ができるかどうかという点が挙げられます。投資信託がリアルタイムで取引できないのに対し、ETFはリアルタイムで取引を行うことができます。

投資信託の場合、投資家は、基準価額を基に取引をしますよね。しかし、ETFの場合は違います。市場価格を基に取引を行うのです。

基準価額は、1日に1回しか算出されません。これは、投資信託もETFも同じです。その日の取引がすべて終了した後に、ファンドの基準価額が算出されます。

投資信託は、この基準価額を基に、ブラインド方式にて取引が行われるため、リアルタイムで約定することはありません。約定するのは、その日の取引が終わって、基準価額の算出が完了してからです。しかし、ETFの場合は、基準価額ではなく、市場価格を基に取引を行うため、値動きを見ながらリアルタイムで取引を行うことができるのです。

基準価額とは

ETFの基準価額というのは、投資信託と同様、純資産総額を口数で割ることで求められ、そのファンドの価値を表しています。

基準価額が算出されるのは、その日の取引がすべて終了した後になり、1日に1回だけ算出されます。

市場価格とは

一方の市場価格は、市場における需要と供給により決定される価格で、投資家は、この市場価格で、ETFの取引を行います。

株価と同じようなイメージですね。市場の需要と供給によって決まりますので、供給より需要が多ければ、市場価格は上がりますし、需要より供給が多ければ、市場価格は下がります。市場価格は、基準価額と異なり、そのときそのときの市場の状況によって、変動します。

基準価額と市場価格の関係

基準価額と市場価格は、一口あたりでは、概ね同じ程度の金額になっているはずです。ただ、完全にイコールということではありません。それは、取引価格が、その時々の市場の需給関係によって決まるからです。需要が多ければ、基準価額よりも市場価格の方が高くなりますし、供給が多ければ、基準価額よりも市場価格の方が低くなります。

ただ、ETFの価格形成を完全に市場に任せておくと、基準価額と市場価格が大きく乖離する可能性があります。これでは、ETFの特徴である指数に連動した運用成績というのが、一般投資家レベルでは享受できなくなります。投資家は、ベンチマークに連動しているはずの基準価額とは、まったく別のところで、取引を行っていることになるからです。

基準価額と市場価格の乖離というのは、小さければ小さいほど良いという訳です。

そこで、登場するのが、指定参加者と呼ばれる運用会社と株式やETFのやり取りができる証券会社です。

指定参加者の役割は、ETFの基準価額と市場価格が大きく乖離しないように、市場におけるETFの発行済み口数をコントロールすることです。

市場において、ETFが需要過多になると、指定参加者は、ETFを売却することで、市場におけるETFの口数を増やします。これによって、ETFの市場価格は下がることになります。逆に、ETFが供給過多になると、指定参加者は、ETFを購入することで、市場におけるETFの口数を減らして、ETFの市場価格を上げているのです。

このようにして、指定参加者は、ETFの市場価格をコントロールして、基準価額との乖離を小さくしています。