外国の資産に投資をしている投資信託には、為替ヘッジあり、もしくは、為替ヘッジなしという記載があるものがあります。何やら難しそうな為替ヘッジという言葉。意味が分からずに無視してしまっている方もいらっしゃるかもしれませんが、収益にかかわる大事な問題なのです。

為替ヘッジというのは、為替の変動リスクを避けることを言います。

外国の株式や債券といった資産に投資をする際には、投資先の国の通貨で投資を行うことになります。私たち投資家からすれば、外国資産に投資をしている投資信託を購入すれば、それで終わりなのですが、運用会社は、一旦、円から投資先の国の通貨に交換をして、その通貨で株式や債券を購入しているのです。そして、投資家から解約請求があれば、その分の株式や債券を売却して、円に戻すといった流れです。

投資信託の目論見書を見てみると、為替変動リスクによって基準価額が変動する可能性があると書いてあります。これは、円と現地の通貨とを交換する際の為替レートによって、基準価額が上がったり下がったりする可能性があるということです。

FXの経験がある方は、ピンと来やすいと思うのですが、ある時点で円から外貨を購入して、その外貨を円に戻す際、外貨の購入時点より円高に振れていれば、損をしてしまいます。逆に、円安に振れていれば、得をします。

例えば、100円と1ドルを交換したとします。この場合の為替レートは、1ドル=100円です。この1ドルを1ドル=90円まで円高に振れたときに円に交換すると、10円損をしてしまいますよね。逆に、1ドル=110円まで円安になったときに円に交換すると、10円得したことになります。

外国資産に投資をする投資信託でも、これと同じことが起こり得るのです。いくら株式や債券への投資自体でプラスのリターンを得ていても、投資信託を購入したときよりも、円高に振れてしまうと、基準価額が購入時に比べ下がってしまうということもあり得ます。

これを、為替変動リスクと呼ぶのですが、為替ヘッジありの投資信託は、先物取引等を利用して、基本的には、このような為替変動による影響を受けない仕組みになっています。逆に、為替ヘッジなしの投資信託は、為替変動による影響をそのまま受ける形になります。

為替ヘッジのメリットとデメリット

為替変動リスクがなくなると聞くと、為替ヘッジをした方が良いようにも思いますが、為替ヘッジにも、メリットとデメリットがあります。どちらの投資信託を選ぶかは、以下のメリットとデメリットを把握した上で、検討することが必要です。

為替ヘッジのメリット

為替ヘッジを行うことのメリットは、当たり前ですが、為替変動の影響を受けなくなることです。仮に、購入時よりも円高に振れたとしても、基本的には、基準価額が減るようなことはありません。

為替ヘッジのデメリット

逆に、為替ヘッジにもデメリットがあります。為替変動による影響を受けないということは、円安に振れた場合でも、得をすることはありません。為替ヘッジなしの場合は、円安になれば、その分、基準価額は上昇しますが、為替ヘッジありの場合は、基準価額に影響を与えないということになります。

ちなみに、為替ヘッジありの投資信託であっても、絶対に為替変動の影響を受けないとは言い切れません。為替ヘッジありといっても、完全にヘッジできるということではないのです。

また、ヘッジコストがかかるという点にも、注意が必要です。為替ヘッジありの場合は、円の短期金利と現地通貨の短期金利を比較して、円の短期金利の方が低い場合は、その金利差分がコストとしてなってしまい、基準価額を押し下げる要因になってしまいます。為替ヘッジをしていても、ヘッジコストの影響で、基準価額が下がってしまうこともあり得るというのは、頭に入れておきましょう。

為替ヘッジありとなしのどっちを選ぶべきか

最終的に気になるのは、為替ヘッジありの投資信託と為替ヘッジなしの投資信託のどちらを選ぶべきかという問題ですよね。

為替ヘッジにもメリットとデメリットがありますので、絶対こっちの方が良いということは言い切れません。

ただ、為替ヘッジなしの投資信託を購入することは、外国の株式や債券に投資をするのと同時に、外国の通貨に投資をするということにもなります。ということは、為替ヘッジなしの投資信託の方が、為替ヘッジありの投資信託を購入するよりも、資産が分散されるということ。

分散投資を心がけている方の場合、外貨預金等を利用して、外国通貨に投資をしているというのであれば、投資信託からは為替リスクを除いても良いかもしれませんが、外国通貨への投資を行っていないのであれば、外国通貨への投資という意味を持つ為替ヘッジなしの投資信託を購入することをおすすめします。