投資法のひとつに分散投資というものがあります。分散投資とは、その名の通り、資産等を分散して投資をすることです。分散投資は、資産運用を行う上で、非常に重要な考え方となりますので、ここで、基礎知識をしっかり身に付けておきましょう。

分散投資のメリットとデメリット

分散投資のメリット

分散投資のメリットとして挙げられるのが、リスクの分散です。分散投資には、リスクを分散させる効果があります。

投資の世界には、卵はひとつの籠に盛るなという格言があります。ひとつの籠に卵をまとめて盛っていると、籠を落としてしまったときに、すべての卵が割れてしまいます。ひとつの資産だけに投資をするのではなく、複数の資産に分散して投資をしなさいという、いわば分散投資のすすめです。

分散投資とは対極にある投資法が、集中投資です。集中投資は、ひとつの資産にまとまった金額を集中的に投資する方法です。集中投資には、うまく行けば、大きなリターンを得ることができるというメリットがある一方で、その資産が値下がりしてしまうと、大きな損失を抱えてしまう危険性があります。その危険性を回避してくれるのが、分散投資という訳です。

投資先を分散させておけば、ひとつの資産が値下がりした場合でも、他の資産が支えてくれることが十分にあり得るのです。このように、リスクを分散できるという点が、分散投資の大きなメリットです。

分散投資のデメリット

逆に、分散投資のデメリットとして考えられるのが、集中投資に比べると、リスクが抑えられる分、リターンも小さくなるという点です。集中投資の場合は、リスクは高いですが、その分、大きなリターンが期待できます。それに対して、分散投資は、リスクが小さい分、期待できるリターンも小さくなります。

ハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンが投資の原則ですので、リスクを抑えられるということは、メリットにもデメリットにもなり得るということですね。

投資信託を活用して分散投資をしよう

投資信託は、分散投資に非常に向いています。というのも、投資信託には様々な種類があり、いろいろな資産に投資ができますし、また、小さな金額からでも購入することができますので、少額で分散投資ができるからです。

また、手軽に積立ができるのも、投資信託が分散投資に向いているひとつの理由です。積立ができるということは、時間の分散もできるからです。分散投資には、投資先を分散させるだけでなく、時間を分散させるという考え方もあるのです。

一口に分散投資と言っても、いろいろな分散方法があります。分散投資を行う際には、以下の点を意識して、分散させていくと良いですよ。

  • 資産の分散
  • 地域の分散
  • 通貨の分散
  • 時間の分散

資産の分散

分散投資と聞いて、真っ先に思い浮かぶのが、資産の分散ではないでしょうか。分散投資を行う際には、まず、アセットアロケーションを決めて、そのアセットアロケーションに沿って、それぞれのアセットクラスの投資信託を購入していきます。

代表的なアセットクラスが、株式と債券です。投資信託で分散投資を行うのであれば、この2種類に投資を行う投資信託は揃えておきたいですね。

株式と債券は、一般的には、反対の値動きを示す傾向にあります。景気が良いときは、株価が上がって債券価格が下がります。逆に、景気が悪いときは、株価が下がって債券価格が上がります。そのため、株式ファンドと債券ファンドを購入しておけば、片方が値下がりしたときでも、もう片方が支えてくれるということになります。

地域の分散

地域の分散は、投資先の地域を分散させることです。株式や債券といった資産にも、国内のものもあれば、海外のものもあります。例えば、株式ファンドには、日本国内の株式に投資をするものや日本以外の先進国の株式に投資をするものもありますし、新興国の株式に投資をするものもあります。

複数の地域の資産を保有しておけば、ひとつの地域の運用成績が振るわなかった場合でも、他の地域の資産がカバーしてくれます。

通貨の分散

ひとつの通貨だけではなく、複数の通貨に分散をするのが、通貨の分散です。日本円だけしか持っていない場合、円が暴落してしまうと、資産価値が大幅に減少してしまいます。そこで大事なのが、通貨の分散です。円だけでなく、海外の通貨も持っておくべきなのですね。

外国の資産に投資をする投資信託は、外貨建てとなりますので、外国資産の投資信託を購入することで、通貨も分散させることができます。

投資信託の中には、為替変動の影響をなくすために為替ヘッジをしているものもありますが、通貨の分散を考慮するのであれば、為替ヘッジなしの投資信託を選ぶようにすると良いでしょう。

時間の分散

最後が、時間の分散ですが、この考え方は、非常に大切です。資産の分散や地域、通貨の分散については、投資先を分散させることで実践できますが、時間の分散は、投資先を分散させることで達成できるものではありません。購入するタイミングを分散させるのです。

仮に、高値圏で集中投資を行ってしまうと、購入後にずるずると値下がりしてしまって、大きな損失を抱えてしまうということも考えられます。購入するタイミングをずらして、時間を分散させれば、このようなことは避けられますよね。要は、積立投資の考え方です。

時間の分散を行うには、定期的に決まった金額を投資するドルコスト平均法による積立投資が有効ですので、ぜひ実践してみてください。

バランスファンドを利用する手もあり

投資信託で分散投資を行うには、複数の投資信託を組み合わせて積み立てていくのが、一般的ですが、バランスファンドを利用するという方法もあります。

バランスファンドは、複数の資産に投資をしている投資信託で、資産、地域、通貨の分散については、バランスファンドをひとつ購入していけば、それだけでクリアすることもできます。

ただし、バランスファンドの場合、ポートフォリオがあらかじめ決められているため、アセットアロケーションを自分で決めることができません。また、コストも、他の投資信託に比べると、若干高めです。バランスファンドを活用して分散投資を行う際には、これらの点に十分注意して行うようにしましょう。