投資信託を保有しているだけでもらえる分配金。非常に魅力的に思えますよね。ただ、非常に複雑で厄介な存在でもあるのが、分配金です。

一見、分配金がもらえない投資信託よりも、もらえる投資信託の方が良いように思いますが、そんな単純なものでもありません。分配金を出す分配型投資信託にもメリットとデメリットがあって、分配金は、誰にとっても魅力とは言えないのです。

自分にとって、分配金が出る投資信託の方が良いのか、出ない投資信託の方が良いのか、しっかりと理解した上で、投資信託を選ぶようにしましょう。

分配型投資信託のメリットとデメリット

分配型投資信託のメリット

こまめに利益を受け取れる

分配金を受け取るメリットと言えば、利益をこまめに確定できるという点です。

投資信託の利益には、投資信託を解約した際に受け取ることができる譲渡益(値上がり益)と分配金の2種類があります。

分配金のない投資信託の場合、投資信託を解約しない限り利益を得ることはできません。更に、投資信託を解約しても、売却時の基準価額が、取得価格を上回っていないと利益は一切得られません。

分配金がある投資信託の場合は、投資信託を解約しなくても、保有しているだけでこまめに利益を確定させることができますし、取得価格とは無関係に、分配金という形で、利益を得ることができるのがメリットと言えます。

分配型投資信託のデメリット

分配金を出すと基準価額が下がる

分配型投資信託のデメリットとしては、分配金を出す度に基準価額が下がってしまうという点が挙げられます。

分配金は、投資信託の分配原資の中から支払われますが、分配原資も基準価額を算出する元となる純資産総額の一部に含まれます。分配原資が、純資産総額とは別のポケットにあるのであれば、話は別ですが、純資産総額に含まれている以上は、分配金が出ることで、基準価額は下がってしまいます。

基準価額は、投資信託の価値を表す指標ですので、基準価額が下がるということは、投資信託の価値が下がるということ。基準価額が高ければ、それだけ多くの譲渡益を得る可能性がある訳ですが、分配金によって基準価額が下がってしまっては、得られる譲渡益も少なくなってしまいます。

分配金にも税金がかかる

分配金にも税金はかかります。

分配金は、決算日の基準価額が個別元本を上回っている場合に支払われる普通分配金と決算日の基準価額が個別元本を下回っている場合に支払われる元本払戻金(特別分配金)に分けられますが、普通分配金の場合は、課税対象となり、税金が引かれることになります(元本払戻金の場合は、非課税)。

つまり、分配金を受け取る度に税金を支払わなければならないということです。

これは、分配金を再投資する場合でも同様です。分配型投資信託の中には、分配金をそのまま受け取るコースと分配金を使って同じ投資信託に再投資するコースを選ぶことができるものがありますが、分配金が普通分配金である以上、どちらのコースを選んでも、分配金から税金が引かれてしまいます。

分配型投資信託はこんな人に向いている

分配金は、定期的に利益を受け取ることができるため、分配金をお小遣い代わりや年金代わりに使いたいと考えている方には、分配型投資信託が向いていると言えます。長期的に資産を増やすというよりも、こまめに利益を受け取りながら資産を運用したいという方向けですね。

ただし、分配金は必ずしも出る訳ではないということは頭に入れておく必要があります。分配型投資信託でも、運用成績によっては、分配金が減ったり、なくなったりしてしまいますので、要注意です。

分配型投資信託はこんな人には向かない

積立投資で長期的に資産を増やしたいという方には、分配型投資信託は向きません。

分配金を出せば、それだけ基準価額が下がってしまいますし、分配金を再投資する場合にも、税金が引かれてしまいますので、複利の効果を十分に得ることができなくなってしまいます。長期的に運用するのであれば、分配金が出ないタイプの投資信託の方が、より大きな複利効果を得ることができます。

投資信託を積立購入して、長期的に資産を増やしたいと考えている方は、分配金が出ない投資信託を選ぶ方が良いでしょう。