投資信託の取引には、ブラインド方式という方法が導入されています。

このブラインド方式が導入されていることもあり、投資信託の売買は、少々分かりにくい仕組みになっています。というのも、投資信託を購入したり、解約したりする際には、投資信託の価格が分からない状況で取引を行うことになっているからです。

こんな分かりにくい方法止めればいいのに…とも思ってしまいますが、ブラインド方式が採用されているのにも、まっとうな理由があります。

ブラインド方式とは

ブラインド方式とは、投資信託の取引が、当日の基準価額が分からない状況で行われることを言います。

投資信託を購入したり、解約したりする際には、投資信託の価格である基準価額をリアルタイムで確認することはできません。ここが、株取引とは違う点です。

投資信託の基準価額が決定するのは、当日の取引が終了してからになりますので、投資信託を購入、解約する時点では、基準価額が分かりません。投資信託を買った値段や売った値段は、事後になって初めて分かることになります。

私たち投資家が、投資信託の取引を行う際に確認できるのは、前日の基準価額であって、その価格で売買を行うことはできないのです。

ブラインド方式が採用されている理由

なぜ、このような分かりにくい制度を導入しているかというと、投資信託を売る投資家と保有し続ける投資家の間の不公平をなくすためです。ブラインド方式のメリットは、ここにあります。

もし、ブラインド方式が採用されなければ、投資信託の取引は、前日の基準価額を基に行われることになります。当日の基準価額は、当日の取引がすべて終了しないと算出できませんから、前日の基準価額を用いなければなりません。

ブラインド方式を採用せずに、前日の基準価額で取引が行われる場合には、投資信託を保有し続ける投資家の利益が阻害される可能性があります。

例えば、取引前日の基準価額に比べ、当日の基準価額が下がったケースを考えてみましょう。ある投資家が、投資信託の解約を行う場合、ブラインド方式が採用されていなければ、投資信託の解約は、前日の基準価額で行われます。しかし、投資信託を解約する当日の基準価額は、取引に用いられる前日の基準価額よりも低くなっているのですから、解約する投資家は、取引当日の本来の基準価額よりも高い基準価額で解約ができるということになります。

もちろん、解約する投資家は、本来の基準価額よりも高い基準価額で解約ができたのですから、得をすることになりますが、投資信託を保有し続ける投資家にとっては、これは良いことではありません。

投資信託が解約されれば、その分、投資信託の純資産総額は減少します。この場合においては、取引当日の基準価額よりも高い基準価額で解約が行われたのですから、取引当日の投資信託の純資産総額は、本来よりも大きく減少していることになります。これは、投資信託を保有し続ける投資家にとって、不利ですよね。

このような、投資信託を解約する投資家と引き続き保有する投資家の間の不平等をなくそうと取り入れられたのが、ブラインド方式なのです。

ブラインド方式では、取引に用いられる基準価額は、注文時点では分からないので、結果的に、ブラインド方式を採用しない場合と同じ結果になることはあり得ますが、意図的にこのような状況を作り出すことはできなくなります。ということは、投資信託を解約する投資家が一方的に不利という状況は改善されることになります。

ブラインド方式によって、投資信託の取引が、分かりにくい仕組みになってしまっているのは事実ですが、それも、投資家間の平等を確保するため。ブラインド方式という少々厄介な方法が採用されているのにも、大きな理由があるということです。